OU-SDGsプログラム「沖縄体験学習」を実施しました
2026.3.25
2026年2月11日(水)~14日(土)、沖縄県那覇市、久米島町にて、「プログラム沖縄体験学習」を実施し、大阪大学から学部生16名、大学院生2名の計18名が、同プログラムのサポートを受けて参加しました。
本体験学習は、学生が持続可能な資源利用・再生可能エネルギー活用や自然保護、国際社会の平和と安定に関する理解を深め、これらに関する取組について現場で学ぶことを主な目的として実施しました。
2月12日には、久米島町を訪れ、「海洋深層水」を利用した発電とそれにより得られた再生可能なエネルギーや水の利活用による産業振興と雇用創出を図る自立型コミュニティ「久米島モデル」について学びました。海洋深層水は、太陽光の届かない200メートル以深の海水を指し、低温性、清浄性(細菌類が少なく、陸水や大気からの汚染が少ない)、富栄養性(無機栄養塩類が豊富)という特徴をもちます。
久米島町にある沖縄県農林水産部海洋深層水研究所では、平成24~30年度にかけて、低温の海洋深層水と表層の海水の温度差を利用した発電の実証試験(事業主体:沖縄県商工労働部)を行い、発電に利用した後の海洋深層水を水産養殖へ二次利用し、低温の海洋深層水と表層水の比率をコントロールすることで、温度調節のためのエネルギーやコストを削減することに成功しています。それら知見を基にした、海洋の再生可能な資源・エネルギーを利活用する「久米島モデル」は世界から注目を集めています。
参加学生は、はじめに、久米島町役場プロジェクト推進課にて「久米島モデル」の立ち上げの経緯や現状、今後の展望等について学びました。その後、海洋深層水の利用の実例として、株式会社ロート・F・沖縄での藻(スピルリナ)の研究・開発、株式会社ジーオー・ファームでのウィルスフリー牡蠣(あたらない牡蠣)の陸上養殖試験、久米島海洋深層水開発株式会社での海ぶどう養殖について、栽培や養殖の様子を見学しながら学びました。さらに、実際に沖縄県農林水産部海洋深層水研究所を訪れ、施設見学を通じて、海洋深層水を活用した沖縄県の養殖業、OTEC(海洋温度差発電実証設備)、取水施設管理運営、共同研究など海洋深層水の総合的利用等について学び、サンゴ礁保全活動等の見学を通じて、自然環境保護の重要性も学びました。また、2月13日に訪問した琉球大学COI-NEXT「資源循環型共生社会実現に向けた農水一体型サステイナブル陸上養殖のグローバル拠点」では、「農業と水産業の垣根をとりさり、世界の若者が主役として食を育て提供する循環社会を実現する」というビジョンの実現のためのアプローチ、課題等について、プロジェクトの実証の場の見学等を通して学びました。
本体験学習のもう一つの学習目標である、国際社会の平和と安定に関する理解については、2月13日に、沖縄本島にある平和祈念資料館、ひめゆり平和祈念資料館、佐喜眞美術館の見学等を通じて、分断と対立が深まる世界に対し、沖縄が持つ平和の価値を共有し、誰もが安心して暮らせる社会の実現の重要性を学びました。ひめゆり平和祈念資料館では、展示だけでなく学芸課職員による講話により、ひめゆり学徒隊の体験を中心に沖縄戦について理解を深めました。また、佐喜眞美術館では、佐喜眞館長からの丸木位里・俊・作「沖縄戦の図」等の解説により、「地上戦を国内で唯一体験した沖縄の人々に沖縄戦のことを教えてもらいながら戦争で人間がどのように破壊されるかを描き、そのことをしっかり見て、戦争をしない歴史を歩んでいってほしい」という丸木夫妻の想いや、その想いを次世代につなぐことの重要性を学びました。
さらに、参加学生は、「今回の経験をもとに、大阪大学内でSDGsの取り組みを企画するとしたらどのようなものが考えられるか」について、グループワークとレポートを通じて、具体的な提案を行いました。これらの体験、学習、課題を通じて、持続可能な社会の実現に向けてSDGsおよび関連する社会課題についての理解を深めると同時に、社会課題を自分ごととして捉え、新たに取り組むべき社会課題を発見する能力、課題解決に向けて考える能力を養いました。
本体験学習の実施にあたり、プログラムのコーディネイトにご尽力いただいた有限会社おきなわ教育ラボの神部 愛 様、「久米島モデル」について解説いただいた久米島町役場プロジェクト推進課の江洲 誠一郎 様、海洋深層水を活用した沖縄県の取組みについて説明いただいた沖縄県海洋深層水研究所の中村 博幸 所長をはじめ、ご協力くださった全ての関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
参考サイト:
沖縄県 海洋深層水研究所